国が行っている空き家対策として、100万円の税額控除があるのご存知ですか?
「空き家を処分したいけど、撤去費用などを払っていたら売却額と同じくらいかかってしまう」
「売っても更に税金がかかるなんて馬鹿らしい」
そんな声に対処すべく、税額を減税する制度が低未利用土地の100万円控除です。
似たような制度で相続空き家の3000万円控除がありますが、こちらが適用できない場合でも、低未利用土地の100万円控除が使えるかもしれません。
この記事でわかること
- 空き家の売却時に使える減税制度
- 最大20万円お得になる
- 令和7年12月31日までなど条件あり
低未利用土地って何?
低未利用土地とは、都市計画区域内で使われていない土地のことです。
具体的には、
「使われていない土地」の基準は?
- 空き家バンクに登録している
- 不動産業者によって空き家・更地として広告されている
- 電気・水道を使っていないことが確認できる
などのいずれかが確認できる土地のことです。
基本的には、使っていない土地は対象だと考えてもらって大丈夫です。
- 低未利用土地とは使っていない土地のこと
売却で利益が出た時に100万円減税
100万円の減税といっても、補助金のように100万円が支給されるわけではありません。
利益が出た部分に対して、100万円が控除されるというのが今回の制度です。
控除というと難しく聞こえますが、100万円引きのクーポンが使えると思ってください。
具体例を挙げて説明していきます。
(例)300万円で空き家を売却。その際、譲渡費用として取り壊しで165万円、手数料で20万円かかり、取得費が15万円(売却額の5%)かかったとしましょう。
譲渡所得(利益)=売却額-取得費-譲渡費用
これに当てはめると、300万円-15万円-185万円=100万円が利益になります。
本来は、この100万円に対して20%程度の税金がかかります。
しかし、100万円控除というクーポンを使うと、更に
300万円-15万円-185万円-100万円(クーポン)=0円となり、税金を払わなくてすむ、ということです。
この制度を使うと、本来払うはずだった20万円が手元に残ることになる、というのが今回の制度です。実際に100万円得する、という制度ではないのでご注意ください。
- 実際に得するのは20万円が限度
また、自動的に適用されるわけではなく、売却した年の翌年の確定申告が必須となるので要注意です。
意外に厳しい? 適用条件
このように、最大20万円の恩恵が受けられる制度ですが、適用条件は意外に厳しいです。以下、特に大事なものを取り上げていきます。
適用条件
- 都市計画区域内にあること
- 申請書を提出すること
- 3000万円控除など、他の特例を使用していないこと
都市計画区域内にあること
まず、「都市計画区域内にあること」ですが、これが意外にネックとなります。
都市計画区域とは、かんたんに言うと「それなりの規模がある都市」のことで、所在が○○市であればおおむね該当すると思ってもらって大丈夫です。
しかし、○○郡、○○村といった住所の場合、都市計画区域に該当しないことが多いです。
つまり、山や森に囲まれたのどかな場所だと範囲外の可能性が高くなります。
- 田舎だと適用されないことが多い
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申請書を提出すること
低未利用土地の100万円控除を利用するためには、その土地の所在地の自治体に確認書を提出する必要があります。
主な申請項目
- 売却額が500万円(条件付きで800万円)以下であること(契約書の写し)
- 低未利用土地であることの証明(不動産業者に頼む)
- 売却年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていること(登記事項証明書)
などが挙げられます。
書類を揃えるのもたいへんですが、提出から返答があるまで10日前後かかる場合が多いです。2月の確定申告に間に合わせるためには、年末までに確認書を提出しておいた方がいいでしょう。
スムーズに確定申告を終えるためには、事前準備をしなければなりません。
- 年末までに確認書の提出
3000万円控除などを利用していない
低未利用土地制度は、空き家相続の3000万円控除などとは併用できません。
そして3000万円控除の方が減税額が大きく(最大600万円)、低未利用土地の100万円控除を使うメリットがあまりない、という現状があります。
3000万円控除の方は、「相続してから3年が経過する年の年末まで」という制限があるので、それに該当しない人向け、という補助的な制度になってしまっています。
- 3000万円控除の方がお得
相続空き家の3000万円控除が適用できるか知りたい方は、下記のボタンから診断してみてください。
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令和7年12月31日まで!
今年になって延長された本制度ですが、ずっと続くわけではありません。
適用されるのは、令和7年12月31日までに売却が完了した場合のみです。
似たような制度で相続空き家の3000万円控除がありますが、そちらは令和9年12月31日までの適用となっているので、気がついたら期限を過ぎてた、ということにならないように注意しましょう。
まとめ
今回は低未利用土地の100万円控除を解説してみましたが、いかがでしたでしょうか。
まとめ
- 最大20万円お得になる
- 土地の所在地に条件がある
- 3000万円控除を優先して適用すべき
相続空き家の3000万円控除が便利すぎて、なかなか使いどころが難しい本制度ですが、相続してしばらく経過した土地でも利用できるメリットもあります。
自分の土地が該当するのか知りたい方は、下記のお問い合わせフォームまたはLINEからお問い合わせください。無料にて承っております。